育てられたと感じる女性

小学校四年生娘

父親の膝の上
だから、やめるって言ってンでしょうが、最初っから

だからオレだって親父なんかやめちまいたいよ。なんでこんなやつを育ててきたんだ、一生懸
「フン、勝手に結婚して、勝手に生んどいて。
オレだって、こんな家に生まれてきたくはなかったワイ」
それじゃどうしていっまでも親のスネかじってるンじゃ
スエー。出て行くって言ったのを、必死にとめたのは誰なソだい。それじゃーどうしてあのとき出て行かせてくれなかったんだよ。先輩が誘ってくれたときに、オレも行くって約束したのに。結局行かせてくれなかったから。あとでどんなひどい目にあったか。わかってンのか。ええ?

教育しなければならない。

オレの人生メチャメチャにしたのは誰なんだよさ
おまえ、それ、あののことを言っとるのだろう。
おまえはいったいどこまでバカなやつカ「バカだよ。
バカでいいんですよ。
この親の子なんだよな」
まあどこまで脱線するか。
説教しそこなって、結局のところ、親がすねて。子にあらぬことを口走らせて。
事の勢いで、口走ったとおりを実際にやらざるを得ぬようにし向けてしまうのでは、あまりに〈だらないのです。
このくだらなさのとっかかりが
だけどなあの一語なのですね。
勝ち負け共に生きるだけどなあ
の代わりにだのになあ
を使うと、基本の向きが変わってくるということを、私この本にも第前のページからすでに強調しています。
でも、ほとんど多くの読者は、私の所論に目を通しては、なるほど
と、頭にとめるだけで素通りしてしまわれるのだろうと思います。
私は十年前に書いた家庭のなかの対話にを使おうと主張しているのです。

 

子供の宝物に手を出さない

中公新書に、すでにだけど
をやめて
だの自分でも相談の仕事のなかで、知らず知らずのうちに
ですけどだけれどもを連発していて、それがどうも相手とのこだわりの壁をつくってしまうようだと気がついた。そこで、一大決心をして、けれどという逆説の、説得だか見せかけの引きさがりだかの接続詞を使わないことにしたのです。
使わないことにすると心に決めてすぐの、次に発することばに、たちまち何回も使ってしまう。
これは見事なものでした。
使っているつもりなどなく、ただあとでテープにとったものを聞いてみると、まあ、使ってるわ使ってるわ。

伸ばしてやればいいんです。
そういうのもいいんでしょうけれどねぇ
……と、思うわけですけれども

……のようなことなのですけどいったん主張しておいて、少し引っ込める。引っ込めたといっても、奥へおさめてしまうのではなくて、そーっと相手の様子を気遣って、あわよくばいつでももう一度表へ出そうとうかがって。
お互いの主張が正面衝突すると、もはや修復のできない隔たりができるのではないかと、らそれを避けようとしての配慮なのですね。
ひたすそういうご意見はもっともと思いますけどねえ
というのは、穏便に相手の気持ちを十分おもんばかっているように見せかけて、れを受け容れはしないという、実に頑強な意思表示にほかならないのです。
本音は決してそけれどを使うまいとしていても、夢中にやりとりをしている間につい使ってしまう。
使わないと、妙にぎごちなくて、わざとらしいつくりことばになる。

 

先生についたことはあります

をつける。
息を継ぐこういう言い方だと、だのに
をいくら強調しても、相手への威圧にはならないのですねだけどねえ、だけど……だと、相手に相当強い、威圧を与えてしまうのです。
だけどを話しことばに使わない訓練と同時に、私は書きことばでもけれど
とか
けれどを使わないことにしてしまいました。
この数年の間に、すっかりそれが身につきました。
このところ何冊も書いた本のすべてに
けれどが使われていないのです。
けれど
は、自分を優位に置いて、相手を劣位と見下す気持ちの表現のように思われてなりませんAだとおっしゃるのはわかりますけど、私はBだと思います
と言うのとだとおっしゃる意味がよくわかります。

子どもは納得します。

子供たち五なぜだろうと考え考え日を過ごしているうちに、これは接続詞ひとつの問題ではなくて、気持ち
がどこに重点を置いたものか、考えの方向というか、気持ちの持ち方というか、あり方の問題だと、つくづくとわかってくるのでした。
そういう根本的なおっしゃる意味はよくわかり……までしゃべってから気づいたのでは、もはやけれど
線変更してしまっているのですね。わかりますけれどと続けないわけにはいかないへ車おっしゃる意味はよくわかりましたで、しっかり句鼇点の7
そしてそれからおもむろに、
だのに、ですよ、だのに……と、しっかり強調のだのにを使ってことばを進めていく。


子供たち五 子どもにとって不可欠 いじめられる子の親のほうがもっと大変ですね

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